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アンティークコインの一般的な定義は、発行から100年以上経過したものとされています。しかし、アルバニアのコインはそのほとんどが、100年もたっていないのに高値で取引されています。つまり、アルバニアのアンティークコインは、世界の常識を覆したコインと言ってもいいのです。では、そのアルバニアにはどんなアンティークコインがあるのか、早速見てみましょう。
アルバニアには、以下のような希少性の高いコインがあります。
このコインの表面には、端正な顔立ちのゾグ1世の左向きの肖像があり、裏面には2頭の馬が引く勇壮な古代戦車が描かれています。ゾグ1世はアルバニア王国を建国した国王です。1920年にスレイマン・デルヴィナ政権下で内相として初入閣し、1922年には首相を兼任するという有能ぶりを発揮しました。ゾグ1世は強引な人事を行い、瞬く間に政府の実権を掌握しましたが、反発勢力により一時国外に逃れました。
その後、ユーゴスラビアなどの支援を受けて軍を率いて帰国し、反発勢力から政権を取り戻すことに成功します。その後、1939年4月にイタリアの侵攻を受け、ギリシャへ亡命します。それからイギリスやフランスで亡命生活を送り、1961年にパリで生涯を閉じました。ちなみに、ゾグ1世を記念して発行された「ゾグ1世 20フランガ アリ金貨」は、ゾグ1世とアポニー・ゲーラルディネとの結婚を祝うために作られたコインです。
発行枚数はわずか2500枚しかなく、手に入れることも難しいので、まさにコイン収集家垂涎のコインと言っていいでしょう。妻となったアポニー・ゲーラルディネは、ハンガリーの貴族の家系に生まれましたが、父の死、母の再婚などで家計が困窮し、タイピストや博物館の売り子として働くこともありました。苦労の末、1937年に妹の紹介でアルバニア国王ゾグ1世と出会い、数日後には婚約に至ります。
結婚式は1938年4月27日に行われました。しかし、翌1939年にはイタリアによるアルバニア侵攻が激化し、ゾグ1世とゲーラルディネは国外に逃れ、亡命生活を送ることになりました。そしてアルバニアへの帰国が許された2002年10月、ティラナの陸軍病院で息を引き取りました。
「スカンデルベグ 20フランガ アリ金貨」は、発行枚数が非常に少ない希少性の高いアンティークコインです。ちなみにスカンデルベグは、オスマン帝国の脅威に屈しなかった英雄として称えられている人物です。1443年、ハンガリーのヤーノシュがオスマン帝国に反逆すると、オスマンのムラド2世は、スカンデルベグを鎮圧軍として派遣します。
表向きにはスカンデルベグはヤーノシュに敗北しますが、実際には二人は反オスマン帝国のために結託していました。その後、スカンデルベグはオスマン軍を次々と打ち破っていき、領土を奪還して25年間にわたってオスマン帝国に抵抗し、アルバニアの独立を守り続けました。
アルバニアが独自のコインを発行するようになったのは、1900年代に入ってからです。そのため、アンティークコインの一般的な定義とされる、発行から100年が経過したものには該当しません。しかし、独自性の高いコインが多く、限定発行などの特別な措置が取られたコインも数多く存在します。
アンティークコインの希少性は、時間の経過とともに増すことは明らかです。アルバニアのアンティークコインの希少性はさらに高まり、今後はより高価格での取引が予想されます。
アルバニアのアンティークコインの発行年は、1988年のアルバニア鉄道42周年記念コインを除けば、ゾグ1世とヴィットリオ・エマヌエレ3世の時代に集中しています。1900年代前半は、二度と経験したくない世界大戦の時代でした。このような不安定な時代だからこそ、短期間に集中して価値の高いコインが発行されたのかもしれません。
この時期は、後世のコイン収集家にとっては、またとない希少価値のあるコインの宝庫だったとも言えるでしょう。ちなみに、ゾグ1世とヴィットリオ・エマヌエレ3世は、共に野心的でありながら高い美意識を持っていたことでも知られています。
アルバニアは、周辺の大国に屈しない姿勢を貫いてきました。その姿勢には閉鎖性を生む弊害もありましたが、同時にそれは感性を研ぎ澄ます要因ともなりました。ゾグ1世の美意識の高さは特筆すべきですが、ヴィットリオ・エマヌエレ3世は、コイン収集家や研究家としても知られています。
アルバニアには発行枚数が少ないアンティークコインや、歴史的な価値の高いコインが数多くあるので、一部の収集家の間では注目の的となっています。アルバニアの複雑な歴史を理解し、その歴史と呼応するように発行されたコインに、ロマンを感じる人も多いようです。アルバニアのコインをお持ちの方がいましたら、ぜひ査定に出して現在の価値を確認するといいでしょう。
アルバニアのコインの中には、発行されて間もないのに、すでにアンティークコインと呼ばれるものがあります。希少性の高いコインが多いのも特徴で、世界中のコイン収集家の注目を集めています。
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