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オーストリアは、ヨーロッパ大陸の中央部に位置する内陸国で、北海道とほぼ同じ大きさの国土に約900万人が暮らしています。そんなオーストリアには、どのような金貨があるのでしょうか。
オーストリアはヨーロッパ大陸のほぼ中央に位置し、ドイツやイタリア、チェコ、ハンガリーなど8ヵ国に囲まれた内陸の国家です。国土の約3分の2をアルプス山脈が占め、そびえ立つ雪山や氷河、山の斜面に広がる牧草地など、豊かな自然に恵まれています。
北部を流れるドナウ川が西から東へと通り抜け、首都ウィーンはドナウ川流域の盆地に位置し、「芸術の都」として広く知られています。18世紀のクラシック界を代表するモーツァルトも、ここウィーンでその天賦の音楽才能を存分に発揮し、名声を博しました。
オーストリアは約600年間、ヨーロッパの名門といわれる貴族・ハプスブルク家が統治していました。13世紀後半からこの地を支配してきたハプスブルク家は、フランス王妃マリー・アントワネットを始めとするように、ヨーロッパの王室間での結婚によって、非常に大きな影響力を持つようになりました。
第一次世界大戦での敗北により、ハプスブルク家の帝国は崩壊し、第二次世界大戦中はナチスドイツの併合を受けています。さらに、戦後は米英仏ソの4ヵ国による分割占領を経て、1955年に永世中立国として独立を果たしました。
ウィーンには、IAEA(国際原子力機関)やUNIDO(国連工業開発機関)などの、国連関連機関の本部が設立され、オーストリアは国連の平和維持活動に積極的に参加しています。また、1995年にはEUにも加盟しました。
オーストリアでコインの鋳造が始まったのは、ハーベンベルク家の公爵レオポルト5世が投獄され、1194年にイギリスのリチャード1世に、保釈金を支払ったのが起源とされています。それ以後、首都ウィーンにあるオーストリア造幣局は、800年以上にわたってコインを鋳造しています。
リチャード1世により、侮辱罪で抑留されていたレオポルト5世は、銀からコインを鋳造して保釈金を支払うことを決意し、ウィーン造幣局で銀貨の鋳造が開始されました。レオポルト5世が献上した銀貨は、実に15トンにも及んだとされています。
その後、ウィーン造幣局は何度も移転を繰り返し、現在はウィーン中心部のヒューマルクトに存在しています。オーストリアには、他にもいくつかの造幣局がありましたが、1919年のオーストリア共和国成立時には、ウィーン以外の造幣局はすべて廃業しました。
オーストリアのコインの種類は、非常に多岐にわたります。その中でもウィーン金貨は、オーストリア造幣局によって発行される地金型金貨で、1989年から鋳造されてきました。地金型金貨は、投資目的で発行された金貨です。
発行から時間が経過するにつれて希少性が増し、コレクターたちから求められる金貨を収集型金貨と呼びます。収集型金貨は、実際の金の価格の数倍から数十倍の価値を持つことがありますが、地金型金貨はプレミアム価値が上がりにくい反面、金価格の上昇による価値のアップが期待できるのが特徴です。
表面には、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートホールにある、パイプオルガンのデザインが施されており、裏面にはホルンやハープ、ビオラ、バイオリン、ファゴットなどの楽器が描かれています。ちなみに日本では、ウィーン金貨は1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/25オンスの4種類が販売されています。
オーストリアの有名なアンティークコインの中から、3つご紹介しましょう。
フランツ・ヨーゼフ1世は、650年続いたハプスブルク家の最後の皇帝で、彼の祖父は神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世、父親はカール大公です。次に紹介する100コロナ金貨と裏面はほぼ同じですが、表面にある右向きの肖像のデザインは大きく異なっています。純金に近いため、金価格と連動する地金型金貨としての価値もあります。
フランツ・ヨーゼフ1世は、わずか18歳でオーストリア帝国の皇帝に即位し、68年間その座に君臨しました。国をよく治めたので、国民の間で非常に人気があった国王でもあります。この金貨は、1909年から1914年の間に発行されていたコインの、リストライク(再鋳造)バージョンです。 年号は1915年ですが、当時のオーストリアの歴史的背景やコインの情報を考慮に入れると、1960年代から1970年代に鋳造された可能性が高いと見られています。実際に1970年代には、このリストライクコインは地金型金貨として、非常に人気がありました。 表面にはフランツ・ヨーゼフ1世の右向きの肖像が描かれており、裏面にはオーストリアの紋章である神聖ローマ帝国を象徴する、双頭の鷲が美しく描かれた非常に素晴らしいコインです。
マリア・テレジアは、ハプスブルク家のカール6世の娘であり、神聖ローマ帝国の皇帝とロートリンゲン家のフランツ・シュテファン(フランツ1世)の、皇后でもあります。即位して間もなくオーストリア継承戦争が勃発し、その後もシレジアを奪回するために、プロイセンとの間で7年間戦争が続きました。 そのような状況下で作られた金貨にしては状態が優れており、裏面の刻印は非常に鮮明で、最高の状態が保たれています。カタログにも掲載されず、オークションに出回ることもなく、オーストリアの金貨の中では非常に希少なものとなっています。
周囲を8つの国に囲まれ、長年にわたってハプスブルク家の支配を受けてきたオーストリアは、価値のあるアンティークコインが数多く存在する国でもあります。特に地金型金貨には、金貨としての価値はもちろん、歴史的な価値もあります。
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