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2016年から2017年にかけて、世界政治の風景は大きく変動しており、ポピュリズムの台頭とそれに伴う政治的動揺が特徴的でした。特に、イギリスのEU離脱(ブレグジット)やアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領の選出は、世界経済や金融市場に深刻な影響を及ぼしたほか、政治的な不確実性は、金市場にも大きな影響を与え金価格は大きな変動を見せました。
本記事では、2016年から2017年にかけてのポピュリズムの台頭が金価格にどのように影響したのかを詳細に分析するほか、政治的な不安定要因や市場の反応を中心に金相場の動きについて考察します。
2016年はポピュリズムの前兆と言われる年であった点が特徴です。また、同時に金価格が上昇しました。
2016年6月23日、イギリスは国民投票によりEUからの離脱を決定しており、このブレグジットの結果は、国内外で大きな波紋を呼び、政治的および経済的な不確実性が一気に高まりました。イギリスの離脱に対する不安から、投資家たちはリスク回避のために金を購入する動きを強めたのです。
金は安全資産としての特性を持つため、ブレグジット決定後の金価格は急騰しました。特に、金は伝統的に経済的不安や政治的リスクに対して防衛的な資産として買われる傾向があり、この期間の金価格上昇はその典型的な例といえるでしょう。6月24日には金価格が一時的に1,300ドルを超える場面もあり、ポンド安も金の需要を押し上げた要因の1つです。
2016年11月、アメリカでは大統領選挙が行われ、ドナルド・トランプ氏が当選しました。トランプ氏の当選は、多くの投資家にとって予想外の出来事であり、その結果は世界中で衝撃を与えました。トランプ氏の政策が不透明であったため、選挙後の金融市場は一時的に混乱したのです。
金市場も例外ではなく、トランプ氏の選出後に金価格は一時的に急騰しました。金は、トランプ政権の経済政策や外国政策に対する不確実性に対する避難先として買われたのです。また、選挙後にアメリカの株式市場が不安定になったことも、金の需要を後押ししました。
2016年には、アメリカの中央銀行である連邦準備制度(FRB)は依然として低金利政策を維持していました。この低金利政策は、金市場にとってポジティブな要因となり、金価格の上昇を促しました。金は利息を生まない資産であるため、金利が低いと金の魅力が相対的に増すことが特徴です。
また、FRBの低金利政策に加え、欧州中央銀行(ECB)や日本銀行も量的緩和を続けていたことが、金市場に強い影響を与えました。低金利が長期間続くといった見通しがあることで、金に対する投資家の需要を高める要因となり2016年の金価格上昇につながったのです。
2017年1月にドナルド・トランプがアメリカ大統領となったのですが、打ち出した経済政策が不透明でした。そのため、安定した金を購入する流れが強くなり金価格が高騰化した原因となったのです。
2017年1月、ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任しました。トランプ政権は、企業減税やインフラ投資の拡大を柱とした積極的な経済政策を打ち出しました。しかし、その政策が市場にどのように影響するかは不透明だったほか、トランプ氏は貿易政策や外交政策においても独自の方針を打ち出したことで市場に波紋を呼んだのです。
こうした政治的不確実性の中で、金は再び安全資産としての役割を果たしました。特に、税制改革が発表される前後では、金の価格は不安定になりつつも、一定の需要を維持しました。特に2017年の初め、金は1,150ドルから1,250ドルの範囲で推移し、米国の経済政策や市場の反応を反映した結果となったといえるでしょう。
2017年のフランス大統領選挙も、金市場にとって重要なイベントでした。選挙戦の初期段階で、極右のマリーヌ・ルペン氏が支持を集めていたことから、フランスがEUから離脱する可能性が懸念されており、さまざまな不安材料が金市場に反映され、金価格は一時的に上昇しました。
最終的に、エマニュエル・マクロン氏が大統領に選ばれ、フランスのEU残留が確定的となったことで、金の需要は一時的に落ち着きましたが、選挙中の不安定な局面では、金は依然としてリスク回避の資産として重宝され需要が高まりました。
2017年後半には、米中関係が緊張を高め貿易戦争の懸念が高まったほか、アメリカと中国はお互いに関税を課すなどの措置を取ることとなり世界経済の先行きに対する不安が広がったのです。不確実性が金市場に影響を与えたことによって、金価格は一時的に上昇しました。
特に、アメリカが中国に対して追加関税を発表するたびに、金は安全資産としての需要を集めたほか、米中間での経済的な対立は、金の需要を刺激し、金価格はこの期間において一定の上昇を見せたのです。
2016年から2017年にかけて、ポピュリズムの台頭とそれに伴う政治的な不確実性は、金市場に多大な影響を与えました。特に、イギリスのEU離脱決定やアメリカの大統領選挙といった出来事は、金価格の変動を引き起こしました。金は、政治的なリスクや経済的不確実性に対して「安全資産」としての役割を果たし、その価格は上昇を見せたのです。
さらに、低金利政策や米中貿易戦争などの要因も、金市場に影響を与えました。ポピュリズムが台頭し、世界中で政治的な動揺が続く中で、金は依然としてリスク回避の資産として注目され続けました。今後も、世界情勢の変化に伴い、金はその価値を保ちながら重要な資産となるでしょう。
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