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2022年2月24日、ロシアがウクライナに対して軍事行動を開始し、世界中を震撼させました。しかし、この状況の背後にある理由を理解している人は、少ないのではないでしょうか。実際、両国の緊張関係は数十年にわたって続いていました。では、ロシアがウクライナに侵攻するに至った背景には、どのような要因があるのでしょうか?
ウクライナの金貨をご紹介する前に、ウクライナを取り巻く歴史的状況について解説しましょう。
ウクライナの前身ともいえる9世紀に設立されたキエフ公国は、13世紀初頭にモンゴル帝国によって滅ぼされ、その後しばらくの間、他民族による支配が続きました。この時期、ポーランドやリトアニアから逃れた農奴を中心に、ウクライナ・コサック集団が形成され、コサックによる独立運動が活発化しました。
しかし、ロシア帝国はクリミアを拠点に勢力を拡大し、18世紀末にはロシア皇帝エカテリーナ2世によって、現在のウクライナ地域は完全にロシアの一部となりました。さらに、1917年2月のロシア革命以降、ウクライナでは中央ラーダ(中央議会)が誕生し、ロシアのボリシェヴィキ革命政府との間で、自治拡大を巡る対立が生じていきます。
ロシアのボリシェヴィキ革命政府による、暴力的な権力奪取を認めなかったウクライナ中央ラーダは、1917年に独自のウクライナ人民共和国を設立しました。これをきっかけに、ボリシェヴィキと中央ラーダ軍の間で内戦が勃発します。
その後も各政府間の対立が続き、内戦は複雑化していきます。そんな中、1919年には第3回全ウクライナ・ソビエト大会で、ウクライナ社会主義共和国が誕生しました。
1922年、ロシアのボリシェヴィキ政府は内戦に勝利を収め、同年12月ソビエト連邦が成立しました。当時、ウクライナは経済的に重要な役割を果たしていましたが、ソビエト連邦化に伴う農業の集団化政策が進む中で、1932年には人為的な大飢饉が発生しました。この飢饉は、ウクライナ全土に多大な被害をもたらします。
ウクライナの住民の多くが農民であったため、この飢饉で人口の約20%が餓死したと言われています。この時期、ソビエト連邦はウクライナの指導者や共産党幹部を含む多くの人々を粛清し、長期間にわたって弾圧政策を実施しました。つまり、この時期ウクライナは、飢饉とソ連の弾圧というダブルパンチに見舞われたのです。
ウクライナは当時、ソ連構成国の1つでしたが、ではその頃のソ連とはどんな国だったのでしょうか。ソ連とは、1917年のロシア革命をきっかけとして、1922年に成立し1991年に消滅した「ソビエト連邦」のことです。ソ連は1つの国ではなく、15の共和国から成る巨大国家であり、世界の陸地面積の6分の1を占めていました。
各共和国には大統領がいましたが、ロシアが実質的な主導権を握っていました。1985年にゴルバチョフが政権を握り、グラスノスチやペレストロイカを推進しましたが、経済は悪化し共産党に対する不満が高まっていきます。その結果、1980年代後半から各共和国で独立を求める動きが相次ぎ、1991年12月にゴルバチョフ大統領は連邦政府の活動停止を宣言し、同25日に辞任、ソビエト連邦は崩壊しました。
ウクライナは1991年にソ連の崩壊とともに独立し、「ウクライナ」という国名に変更されました。ロシアは、NATO(北大西洋条約機構)に加盟しないという条件のもとで、ウクライナの独立を認めました。ところが、2019年に誕生した、ウクライナのゼレンスキー政権はNATO加盟を目指し、親欧米路線を強化していきます。
ウクライナがNATOに加盟すれば、ロシアはNATO加盟国と国境を接することになります。これはロシアにとって、大きな脅威でした。NATO加盟国にはアメリカ軍が駐留できますから、国境の向こうにアメリカ軍基地が建設される可能性もあるのです。
また、NATO加盟はEU加盟にもつながるため、親欧米路線がさらに強化される可能性もあります。ロシアはウクライナのNATO加盟を認めず、威嚇のために国境付近で軍隊を増強していきました。このような歴史的背景があって、ロシアによるウクライナ侵攻が行われたのです。
では次に、このような複雑な歴史を持つウクライナの、とっておきの金貨をご紹介しましょう。
「キエフ詩篇600周年記念100フリヴニャ金貨」は、ウクライナ国立銀行が1997年に発行した、特別な記念金貨です。この金貨は、1397年に編纂されたウクライナ文化の宝である「キエフ詩篇集」の600周年を祝うために発行されました。発行の主な目的は、重要な歴史的文書の600周年を祝うと同時に、その文化的価値を広く世界に知らしめることでした。
キエフ詩篇600周年記念100フリヴニャ金貨は、その歴史的価値から見ても、まさにコレクター垂涎の金貨と言っていいでしょう。鏡面仕上げの「プルーフ加工」によって、美しさが際立つこの金貨は、発行枚数わずか2,000枚という希少性の高い金貨です。
表面の中央には古代の詩篇集が描かれ、その上にウクライナの小国章が配置されています。このデザインは、国家の権威と精神的遺産の調和を象徴したものです。このコインの品位は金90%で、重量は約17.27g、直径約25mmとなっています。
ウクライナは隣国ロシアと併合したり分離したりして、複雑な歴史を繰り返してきました。ロシアはウクライナに侵攻したことで、世界中から非難されていますが、歴史を紐解いてみると、ロシアにもそれなりに言い分があることがわかります。そんなウクライナには、世界中のコレクターが注目する希少性の高いコインがあります。
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