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マケドニアといえば、アレキサンダー大王を連想する人も多いでしょう。アレキサンダー大王は、映画や小説にもたびたび登場する歴史上の偉人です。広大な領土を制圧したアレキサンダー大王と、その名を冠したコインについて解説します。
マケドニアは、国名は同じでも古代マケドニアと現代のマケドニアの間には、直接の関係性はありません。現代のマケドニアは2018年6月に、「北マケドニア共和国」に国名を変更されています。古代マケドニア王国と一部の領土を共有していますが、多くの領土は別だし民族的なつながりもないようです。
マケドニアの内陸地域は大陸性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は寒くて湿度が高く積雪もあります。山岳地域は夏は爽やかですが、冬は厳しい寒さに見舞われ、かなりの積雪があります。沿岸地域は地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は穏やかでほとんど雪が降ることはありません。
古代において、ヨーロッパを越えアジアにまで影響を及ぼしたヒーロー、それがアレキサンダー大王として知られるアレキサンダー3世です。マケドニアの王として誕生し、ペルシアを征服してアジアまで足を踏み入れたアレキサンダー3世は、30代で命を落としてしまいます。しかし、彼のカリスマ性と天才的な才覚は、後の世代に多大な影響を与えました。
ここでご紹介するコインは、アレキサンダーのスターテル金貨と呼ばれるものです。歴史に多くの足跡を残した、アレキサンダー大王の時代を感じることができるこの金貨には、どのような魅力が秘められているのか、詳しく解説していきます。
紀元前のヨーロッパで発行されたこの金貨には、2人の女神が彫刻されています。表面には、蛇が絡みつくデザインのコリント式の兜をかぶった、女神アテネの姿があります。アテネはギリシャ神話の中で軍事、戦争、知恵、技術を司る女神で、古代ギリシャでは非常に重要な存在でした。
兜をかぶって描かれる女神アテネは、その中性的な魅力が際立っています。裏面には、翼を持つ女神ニケの姿が見て取れます。ニケは「勝利」を象徴する女神で、アテネに従属していた、またはアテネの性質の一部であったとも考えられています。
ちなみに、スポーツブランド「ナイキ(NIKE)」は、「ニケ」の英語表記で、彼女の翼をモチーフにしたシンボルマークが用いられています。勝利を象徴する月桂冠や、強さを示す蛇も描かれています。
このコインは、アレキサンダーの死後に発行されたものです。アレキサンダー自身が多くの遠征を行っていたため、スターテルコインがどこで作られたのかについては、諸説あるようです。
ある説によると、アレキサンダーに関するコインの中でも、このスターテル金貨はそのデザインや価値において、当時から圧倒的な人気と信頼を得ていたと言われています。その輝きは数世紀を経ても変わらず、私たちを惹きつけています。
映画や小説にも登場するアレキサンダー大王は、どんな時代の王だったのでしょうか。スターテル金貨が鋳造された当時の歴史的背景を探ります。アレキサンダー3世は、紀元前356年にマケドニアの王子として誕生しました。アレキサンダーは、フィリッポス2世と王妃オリンピアスの間に生まれました。
彼は幼少期から、武道だけでなくアリストテレスなどの著名な哲学者の教育を受け、文武ともに優れた青年へと成長しました。フィリッポス2世とアレキサンダー3世という偉大な王の後継によって、マケドニアはギリシャの強国としてその名を知られるようになります。
父の急死により、アレキサンダーはわずか20歳という若さでマケドニアの王となりました。国内外の敵を見事に制圧したアレキサンダーは、22歳の年にギリシャ民族にとって200年もの間宿敵であった、ペルシア征伐に乗り出します。天才的な軍事指揮官であったアレキサンダーは、初戦に勝利した後、小アジアのイッソスでペルシア王と対峙し、4万の兵で10万のペルシア軍を打ち破ったとされています。
その後のガウガメーラの戦いでは、一説には25万のペルシア軍を4万の兵で圧倒し、アレキサンダーの名声を不動のものにしました。アレキサンダーはその後、インダス川に至る壮大な遠征を続けましたが、33歳という若さでバビロニアにて命を落としました。死因は熱病であったということです。
アレキサンダーは常人を超えたその偉大な業績から、後に「大王(Magnus)」と称賛されるようになります。東西の文化を融合させ、ヘレニズム文化の礎を築いたことで、ヨーロッパの文化や思想に計り知れない影響を及ぼしました。
また、古代ローマを初め、中世や近世に至るまで、アレキサンダー大王を題材にした作品が多数存在し、キリスト教の世界や騎士道精神の中でも伝説として名を馳せています。33歳という短い生涯を終えた後も、アレキサンダー大王は並外れた存在感を放ち続けたのです。
最後に、アレキサンダー大王の、スターテル金貨の価格推移を紹介しましょう。状態によって価格は様々であり、「生前発行(Lifetime issue)」や「死後発行(Posthumous issue)」などの分類があります。古代コインの鋳造技術上、重量が均一でなく、裏表の位置も異なります。デザインがわずかに異なるそのバリエーションは、悠久の時の流れを感じさせます。
古代におけるアレキサンダーの壮大な業績と、それがのちの世代に与えた影響を理解することは、西洋の文化ではもはや常識と言えるでしょう。多くの美術館には、アレキサンダーをテーマにした数多くの作品が展示されています。カリスマ的な魅力を持つアレキサンダー大王のスターテル金貨は、アンティークコインの中でも特に人気が高いアイテムの1つです。
マケドニアは、今はヨーロッパの小国ですが、かつては世界に君臨する大国でした。そんなマケドニアには、有名なアレキサンダー大王の名を冠した、歴史的に価値のあるアンティークコインがありました。
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