〒110-0008 東京都台東区池之端2-7-17 岩田栄光ビル1F
【営業時間】 10:30~19:00
【電話番号】 03-5834-2450
ヨーロッパの小国であるキプロスは、幾度となく他国の侵略を受けました。他国から圧政を受けても、キプロス国民は自尊心を失うことなく耐えてきました。そんなキプロスの、歴史的に価値のあるアンティークコインをご紹介しましょう。
キプロスは、国土面積が日本の四国の約半分で、その狭い国土に約133万人の人々が暮らしています。キプロスは、1974年にトルコ軍の軍事侵略が行われたことにより、南部にはキプロス共和国、北部にはトルコ系が実質的に支配する「北キプロス・トルコ共和国」と称される地域に分かれています。
国連が1974年に設置した、南北を分ける境界線「グリーンライン」を通して、南北キプロスを訪れることができます。つまり、南北キプロスは国連が介入しないと、正常に存続できない地域なのです。
キプロスには、美と愛の女神アフロディーテが誕生したとされる「ペトラトゥロミウ海岸」や、酒の神ディオニソスにちなんだモザイク画が多く残る「ディオニソスの館」など、ギリシャ神話に関連のある場所が数多く存在します。
キプロスには、世界遺産に登録された遺跡が2つあるのでご紹介しましょう。
キプロスの西部に位置する町パフォスには、紀元前12世紀頃に建設されたアフロディーテ神殿の遺跡があります。古代からパフォスで、繁栄と多産の女神として崇められていたヴィーナスは、ギリシャ最古の歴史的叙事詩ホメロスの「イリアス」に、美と愛の神として登場し、その後女神アフロディーテへと発展しました。
トロードスにある壁画教会群は、世界文化遺産として認識されています。山岳地帯にひっそりと佇む質素な教会群で、外見とは対照的に輝かしいフレスコ画が描かれ、高い芸術性と深い信仰心を象徴しています。
ニコシアは、キプロス共和国の中心都市です。ニコシアの地図で特に目を惹くのが中央に位置する古い町です。美しい円形を形成し、周囲にはハート型の11の監視塔を持つこの防壁は、その存在感だけでも特筆すべきですが、なんとそれが悲しいことに真っ二つに分断され、異なる国によってそれぞれが統治されてきました。
この状況が始まったのは1974年のことです。キプロスは、主にギリシャ系とトルコ系の住民から構成されていますが、両者の民族的・宗教的な対立は熾烈で、ギリシャ系軍人による軍事行動が引き金となり、トルコは自国民保護の名のもとに北部に兵を派遣しました。
南キプロス(ギリシャ系)側の情報によると、その結果、キプロスの領土の35%が占拠され、14万2000人のギリシャ系キプロス人が難民となりました。国連はギリシャ系政府を正当な政権と認識し、平和維持軍を派遣しましたが、トルコ系キプロス人は1983年に、トルコの支援を受けて「北キプロス共和国」として独立を宣言したのです。
しかし、トルコ以外の国はこの新国家を認めていません。分断された境界線は「グリーンライン」と呼ばれ、国連軍が監視しています。境界線を越えればすぐそこなのに、完全に異なる世界として仕切られてしまったのです。こんなにも近いのに、それぞれ異なったルールがあり、これ以後別々の通貨が使われています。
キプロスは、地中海東部に位置するキプロス島にある共和制国家であり、かつてイギリスに併合されていたため、イギリス王室に関連したコインが発行されてきました。国章にはオリーブをくわえた、平和の象徴である鳩が描かれた盾があり、独立の年である1960年の数字も記されています。
また、イギリス本国から正式に承認されてはいませんが、植民地時代には2頭のライオンを描いた紋章を使用しており、この紋章はアンティークコインの中に見ることができます。キプロス共和国は、現在はギリシャ系の単一民族国家として知られています。民族的な対立の根深い地域であり、第一次世界大戦の際にはイギリスに併合され、その後反イギリスの立場を貫き、独立を勝ち取りました。
キプロスには、以下のようなアンティークコインがあります。
額面50ポンド、発行枚数60,350枚、品位916/1000金のコインです。マカリオス大司教は、キプロス共和国の初代大統領で、彼が亡くなった年に発行された金貨です。マカリオス大司教の右側を向いている肖像と、キプロスの地図、周りに浮かぶ船、そして泳いでいるイルカの描写があります。このコインは大量に発行されており、最近ではヘリテージオークションなどでも、しばしば見かけるアンティークコインでもあります。
額面20ポンド、発行枚数1,500枚、品位916/1000金のコインです。2004年にキプロスはEU(欧州連合)に加入し、その記念として発行された金貨です。アフロディーテの誕生を称える海の神トリトンと、キプロスの地図がデザインされており、EUを象徴する12の星でコインの周囲が飾られています。キプロスの国章と共に、ギリシャ語とトルコ語で「キプロス」と刻まれています。
額面20ユーロ、発行枚数1,000枚、品位917/1000金のコインです。キプロス中央銀行設立50周年を祝して発行された金貨で、キプロス共和国を象徴するオリーブをくわえたハトのエンブレムが描かれています。 裏面には、国章と同じオリーブの枝を持つ少女が描かれ、50周年を迎えた新たな時代への希望の象徴となっています。2004年にEUに加入したキプロスは、ポンドからユーロへの移行を果たしました。
キプロスには、歴史的価値のあるアンティークコインがいくつもあります。もしこれらのコインを持っている方がいましたら、査定に出して現在の価値を確かめるといいでしょう。
Copyright (C) 2012 ホームページ作成のトータルディアネット All Rights Reserved.