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今から約20年前、テレビや新聞が一斉に、それまで日本で最も古いとされていた「和同開珎」より古い貨幣、日本最古の貨幣か?という内容の「富本銭出土」のニュ―スが報道されました。
そこで「富本銭」について、概略について私なりに調べてみました。
今から約20年前の平成11年1月に、テレビ各局が一斉に「富本銭出土」のニュ―スを大々的に報道したことを思い出します。
また翌日の新聞各紙も、多くは一面トップにこの記事を載せました。
新聞各紙は大見出しで、読売新聞は「日本最古の貨幣 『富本銭』奈良飛鳥池遺跡で出土」
毎日新聞は「『和同』以前 最古の貨幣―奈良で発掘」などと。
そうした「富本銭」についての報道から、私なりに調べてみました。
「富本銭」は1798年江戸時代の、いわゆる古銭カタログといった類の本に「富本七星銭」の名前で銭の図柄と共に載っており、早くから貨幣研究者の間ではよく知られていたようです。
しかし、それは普通に使われるお金というより、「まじない銭」的なものであって、江戸時代からのものと考えられていました。
「富本銭」は、これまで昭和44年(1969年)に平城京跡での発掘、平成3年(1991年)には、更に古い地層である藤原京跡から発掘、さらに平成9年(1997年)大阪(難波宮)の細工谷遺跡から一枚、発見されていました。
そしてその後の飛鳥池遺跡からの発見となったわけです。
これは今までの発見とは、その内容がかなり違います。
その幾つかを挙げると、発掘場所や出土した「富本銭」の状態等から見て、そこ(飛鳥)で鋳造されたものと考えられる条件が揃っていること。
また日本書紀に「今(天武12年・687年)よりは銅銭を用いよ」とある『銅銭』が何なのかという長い間(二百年間も)の疑問が解けて「ここにいう銅銭は富本銭のこと」となる可能性が出てきたことなど。
「富本銭」の価値については、専門家でも意見が分かれています。
争点は「貨幣かどうか」で、お金として使われたかどうかです。
使用されていれば、富本銭が日本最古の貨幣ということになります。
他にもまじない用や儀式用などで硬貨は使われていたという説もあります。
実際に貨幣として使われていたとすれば、売る場合にはすごい金額になりそうです。
今思い出しても「富本銭」の発見は、貨幣の最古の歴史をヒックリ返す可能性を大いに秘めたすごい発見だったと思いました。
その「富本銭」の価値は、実際は博物館の展示品だから、1億円出しても売ることにならないかもしれません。
その意味では、古銭の中でも特に価値の高いものということになりそうです。
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