エストニアは、北東ヨーロッパにある小さな国です。自然と調和した街並みが美しく、古き良き時代のヨーロッパを彷彿とさせます。しかし、ロシアと国境を接しているため、常に緊張状態にあります。エストニアはどんな歴史を持ち、どのような金貨があるのでしょうか。
エストニアはバルト海に面すしており、バルト三国の中で一番北にあります。面積は4.5万平方キロメートルで、日本の9分の1しかありません。人口は約136.5万人で、首都タリンには約45万人が住んでいます。ちなみに、タリン歴史地区(旧市街)は、1997年から世界遺産に登録されています。 国土の大部分は湖や湿地が広がる平地で、気候は比較的温暖です。農業では小麦やジャガイモの栽培が盛んです。経済は自由度が高く、特に金融や保険の分野では外国資本が市場の大部分を占めており、外国企業に依存した経済構造を有しています。
近年ではIT人材の育成に注力し、IT技術の向上により経済成長を果たしています。その結果、ほぼすべての行政サービスがオンラインで提供される「電子国家」となりました。エストニアはIT技術を利用した「電子政府」を確立しており、婚姻届や離婚届を除くほぼ全ての行政手続きが、オンラインで申請可能な体制を整えています。
エストニアの各省庁や企業、個人は「X-Road」という基盤情報システムを用いて、個人情報の登録や利用を行っています。
バルト海に面した港町、首都タリンの旧市街には、城塞都市だった中世の名残を留める城壁や塔、教会などの歴史的な資産が豊富にあります。1991年にソビエト連邦から独立を果たして以来、欧州への復帰を目指し、NATOとEUへの加盟を最大の外交目標にしてきました。努力の甲斐あって、2004年3月と5月にそれぞれ加盟を果たしています。
EUの価値観を共有し、大西洋を跨ぐ堅固な同盟関係を築くことが、エストニアの外交の基本方針です。13世紀以降、デンマーク、ドイツ騎士団、スウェーデン、モスクワ大公国、ロシア帝国による支配を経て、第一次世界大戦末期の1918年にロシア帝国から独立しました。
第二次世界大戦中の1940年にはソ連に占領され(バルト諸国占領)、翌1941年には独ソ戦でナチス・ドイツに占領されました。1944年にはドイツ軍を押し返したソ連によって再び占領され、エストニア・ソビエト社会主義共和国となりました。
その後、ソ連崩壊に伴い、1991年に再び独立を回復しました。2004年にはEUとNATOに加盟し、2008年にはNATOのサイバーテロ防衛機関の本部が設立されています。
このコインセットは、エストニア共和国の建国90周年を祝うために、2008年に発行されたものです。このコインセットには「プラチナコイン、金貨、銀貨」の3つの貨幣が含まれており、全てが「プルーフ貨幣」とされ、美しい外観を有し、世界のコレクターの注目を集めています。
エストニアは長期にわたり、さまざまな勢力に支配されてきました。そんな中で、1918年にエストニアが初めて独立宣言を行った日が、現在のエストニアの独立記念日です。そして2008年に、90年の時を経て「エストニア共和国建国90周年記念コインセット」が発行されました。
エストニアの独立宣言は第一次世界大戦の混乱の中で行われ、ロシア帝国の崩壊後に新たに形成されたエストニアの指導者たちが、この機会を利用して独立を成し遂げたのです。その後のエストニア独立戦争(1918年-1920年)では、ロシアと対戦することを余儀なくされました。
エストニアはこの戦争に勝利し、1920年のタルトゥ平和条約によって、国際的にも独立が承認されたのです。しかし、その後エストニアは外国による占領を、数回経験することになります。最初に1939年に独ソ不可侵条約(モロトフ=リッベントロップ協定)によってソビエト連邦に占領され、1941年にはナチス・ドイツが侵攻しました。
再び1944年にはソビエト連邦に占領され、冷戦時代にはエストニアはソビエト社会主義共和国に併合されていました。1991年、ソビエト連邦の崩壊に伴い、エストニアは再び独立を果たします。8月20日、エストニア最高会議(議会)が独立を宣言し、国際的にも認識されました。
この日は現在「再独立の日」となっています。その後、エストニアは急速に西側諸国との関係を強化し、2004年には欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に加盟しました。このような経緯があるため、建国を祝うこのコインセットは、エストニア国民にとって非常に重要なもので、世界中のコレクターも価値の高いコインとして注目しています。
エストニア共和国建国90周年記念コインセットは「純プラチナコイン」、「純金貨」、「純銀貨」の3種類から構成されています。現在、エストニアの通貨はユーロに移行しているため、今回のようなクローンというかつてのエストニアの通貨を基にした記念硬貨は、今後発行されることはなさそうです。
現実に、その後発行された建国100周年記念硬貨はユーロの額面となっています。エストニア共和国建国90周年記念コインセットは、高純度で製造されており、地金価値があり、限定発行による希少性が高いため、古銭市場でも高い価格で取引されています。
エストニアは北欧の小さな国で、ロシアと隣接しているため、常に侵略の脅威にさらされていました。現実にソ連に併合されていた暗黒の時代もありましたが、独立を果たした90年後に記念コインセットを発行しています。
買取専科 七福本舗