スイスと聞いてまず思い浮かべるのは、「永世中立国」という言葉かもしれません。では、スイスはどんな国なのでしょうか。歴史や産業、金貨などについて調べてみましょう。
スイスはアルプス山脈に位置し、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれた内陸国です。4000m級の山々が連なり、スイスとイタリアの国境にそびえるマッターホルン(標高4478m)は、アルプスの象徴として名高い山です。
首都はベルンですが、スイスの最大都市は北部のチューリッヒで、ロンドンやニューヨークと肩を並べる金融のグローバルな中心地です。西部のジュネーブはスイスの第2の都市で、国連欧州本部や世界保健機関(WHO)の本部など、多くの国際機関の拠点が集まっています。
西ヨーロッパの大国に囲まれたスイスは、多民族で多言語の国家で、中立政策の維持と国際協調が外交の基礎を成しています。1815年に永世中立が認められて以来、その姿勢を堅持してきました。
産業分野では、機械、化学、製薬などの高度技術や高付加価値産業が中心で、酪農も盛んです。時計などの部品を多く使用する精密機械の製造には、スイスの清らかな空気ときれいな水が適しています。
観光業も盛況で、特に氷河は重要な観光資源です。スイス中南部にあるアレッチ氷河は全長約24kmで、美しい氷河と周囲の山々は、多くの芸術作品に影響を与え、世界遺産にも登録されています。
スイスは国際赤十字の発祥の地としても知られています。1859年にイタリア統一戦争で負傷した兵士が道端に放置されているのを、その場に居合わせたスイスの実業家アンリ・デュナンが救助し、これが後の国際赤十字組織へとつながりました。
スイスは何世紀にもわたり、都市と農村の異なる形の連携から現在の26州から構成される連邦国家へと成長してきました。スイスは、西ヨーロッパの他の国々と同様の発展を遂げてきました。
かつてスイスはローマ帝国の一部であり、中世初期にはキリスト教の普及、民族の移動、さまざまな民族による支配が行われてきました。中世後期には、現在のスイスの前身である「スイス盟約者団」へと発展していったのです。
宗教改革や西欧におけるキリスト教の分裂は、広範囲な対立や軍事的な衝突をもたらし、スイスもその影響を受けてきました。
スイス(スイス連邦)は、1848年に設立され、各地の通貨を統一するためにスイスフランが作られました。1850年代から現代にかけての硬貨が対象であるため、その歴史は決して長いわけではありません。しかし、美しいデザインの硬貨が数多く存在し、種類が少ないためにコレクションしやすいことから、一部の収集家には根強い人気を誇っています。
それでは、まずスイスの硬貨の始まりを探ってみましょう。1850年に正式にスイスフランが制定され、当時のフランスの貨幣であったフランスフランを模して、1スイスフラン銀貨が作られました。
しかし、1874年から品位を.835まで引き下げており、5スイスフラン銀貨も1900年代前半には同様の品位に低下しています。現在、スイスフランの原型となったフランスフランは廃止されましたが、スイスフランは今でも流通しています。
射撃祭とは、スイス、オランダ、ドイツで14世紀から続いている祭りで、実銃を使用した射撃競技が行われます。その規模は多岐にわたり、村などの小規模な単位で開催されることもあれば、スイス全国から参加者を集める大規模な全国大会もありました。
発行元は国ではなく、カントンという日本の県に相当する地域でしたが、銀の含有量が基準を満たしていたため、当時は通貨としても一部流通していたとされています。
では次に、スイスのアンティークコインをご紹介しましょう。
ブレネリはスイスの名曲「おおブレネリ」にも登場する代表的なもので、スイスではごく一般的な女性名の1つです。コインの表面デザインには、この女性を模した像が描かれ、胸元にはスイスの国花であるエーデルワイスの花葉の装飾が施されており、背景には壮大なアルプス山脈が広がっています。
スイスのフリーブルク州で開催された、射撃祭を祝して発行された100フラン金貨です。フリーブルクはスイスのサリーヌ川のほとりに位置する中世の町で、工業と食品産業が盛んです。
射撃祭の記念コインは大きく分けて2種類あります。現代の射撃祭の記念コインは、1984年にチューリヒ州の農村オーバーハスリで開催された射撃祭から新たに発行され、現在も発行が続けられているコインを指します。
この金貨には「CONVERTIBILE ALLA FESTA DEL TRIO」と刻印されていますが、正しくは「CONVERTIBILE ALLA FESTA DEL TIRO」で、銘文にスペルミスが含まれていることで知られる、発行枚数の少ない貴重な金貨です。
金貨の直径は31mmあり、重量15.55g、発行枚数わずか220枚という超貴重な金貨です。グラルス州はスイスのカントンの中で最も古い歴史を持ち、ビジネスの中心地として栄えている地域です。
直径35mm、発行枚数25枚という史上まれな希少性を持つ金貨です。シュタンスの美しい街並みを背にして、アルプス山脈を背景に、スイスの象徴である女神ヘルヴェティアがライフルを手に持ち、月桂樹の冠を掲げる姿が描かれています。
直径45.2mm、重量69.68gの大型金貨で、発行枚数119枚という希少性の高い金貨です。表面には盾と剣を持つヘルヴェティアが描かれ、裏面にはライオンと女性が描かれたフラウエンフェルト市の紋章が刻まれています。
この記念コインは、デザインの完成度が非常に高く、1842年から1939年にかけての射撃祭で発行されたメダルの中でも特に貴重で、発行枚数はごく限られており、価値を高める要素を豊富に含んでいます。
険しい山々に囲まれたスイスには、発行枚数が極端に少ない超貴重な金貨があることがわかりました。もしこれらの金貨を持っている方がいましたら、ぜひ査定してみましょう。
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