ヘンリー8世にまつわる金貨の種類
16世紀前半のイギリスにおいて絶対王政の基礎を築いたヘンリー8世は、イギリスの文化に影響を与えた知識豊富な国王であるともされています。
そんなヘンリー8世にまつわる金貨も豊富で集める楽しさがあります。
ヘンリー8世にまつわる金貨
中世のイングランド国王であるヘンリー8世はというと、語学に堪能でスポーツにおいても優れた才能があり、音楽にも精通して作曲をしていることも有名でイギリス文化の発展を後押しした国王であるともよばれています。
1509年から1547年までイギリスを治めたヘンリー8世は他国と戦争していた当時、高金利の借金や鉛の輸出などの政策では戦争のための費用が足らず、そこで経済政策の１つとして戦費不足を補うために市場で売買のために使用されていた貨幣を回収し、それらを溶かして金や銀の含有率及び形を改めて新たな貨幣をつくり、その新しい貨幣を改めて市場に流通させました。
国の財政を補うために行われたこの政策は、ヘンリー8世の大悪改鋳と知られており、金貨や銀貨の純度を落とすなど貨幣の品質を落とし市場に流通する通貨の量を増やしました。
金貨の純度を落とした例として、ヘンリー8世が発行したソブリン金貨は22シリング6ペンスでしたが、20シリングと同様の価値があるとされ、また、それまで240グレインとされていたエンジェル金貨の重量が改鋳により200グレインと減らされました。
そして、ヘンリー8世はそれまで銀本位制であった貨幣の流通を金本位制に改めたことも有名で、エンジェル金貨を製造する造幣所を国内各地に設けました。
その際に、どこの造幣所で金貨が製造されたか明らかにするためのミントマークとよばれる造幣所の記号が金貨の裏面に打刻されました。
ミントマークには、城のマークやツバメのマーク、バラの花のマークやユリの花のマークなど、31ヶ所の造幣所それぞれにおいて刻印されたので、同じ年代に発行されたエンジェル金貨であっても造幣所によってミントマークが異なるため、そこにこだわるコレクターも多いです。
他にもヘンリー8世にまつわる金貨は、ソブリン金貨、ハーフソブリン金貨、エンジェル金貨、ウラウン・オブ・ダブルローズ金貨と種類が豊富ですので、コレクターとして同じ年代に発行された金貨を集めてデザインを比べるのも一興でしょう。
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