銀の歴史
かつて純度の高い銀は貴重で金よりも高価なものでした。大量に銀が生産されるようになると、銀は貴重ではなくなりましたが、ファッション界からあらためて銀に注目が集まり「貴金属」としての地位を獲得しました！
「価格差」を狙って大量の銀を売却した外国商人がいた時代も
突然ですが、金より銀の方が高価だった時代があったことをご存じですか？
もともと、金が紀元前6,000～4,000年頃に発見され、その少し後になって銀が発見されたそうです。
当時、技術的に銀は金よりも純度の高いものを手にするのが難しかったため、純度の高い銀は非常に貴重でした。金の2.5倍の価値があったとも言われています。
ヨーロッパでも中世、銀は貴重で、なんと金に銀メッキをすることもあったそうです！
現代では考えられないですね。
日本に銀が伝わったのは紀元前1～2世紀頃と考えられており、日本で初めて銀山が発見されたのは7世紀になってからでした。
日本の銀生産量はどんどん増え、17世紀には世界における約3分の1の銀が日本で産出されていたそうです。
また、銀の精錬技術がますます高まって多くの銀が生産できるようになることで、いつしか銀は金の30分1～60分の1程度の価値・価格となり「貴重なもの」ではなくなっていました。
ですが、1988年にアメリカで「クロムハーツ」が設立されて、4年後にアクセサリーデザインの大きな賞を獲得したことで一気に有名になり、ファッション界でシルバージュエリーが大きく注目されるようになりました。
その波は日本にも押し寄せ、この頃から日本でも銀を「貴金属」とみなすようになってきました。
もともと貴重だった銀が、大量に作られるようになって貴重でなくなり、そして再び「貴金属」として扱われるとは、時代によってその価値は大きく変わるものですね。
ちなみに江戸時代末期、日本では金の価格は銀の5倍に決めていましたが、世界的には金は銀の15倍の価格だったため、海外の貿易商人が日本に来て大量に銀を売却して金の買取を行い、問題となりました。
海外だと金1kg買取するために銀15kgを売る必要があるのに、日本では銀5kgでいいようなものですから、日本で銀を売りたい！となるのも当然です。
あなたの手元に眠っている銀も、もしかすると「そんなに価値があったの！？」という驚きが待っているかもしれませんね。
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