Q&Aコラム~ナポレオン金貨といえばナポレオン?~

ナポレオン金貨といえばナポレオン?

ナポレオン3世時代にナポレオン金貨が大量に製造されました。その背景には世界的金採掘量の増加とともに、その採掘された金はナポレオン3世治世下のフランスに流入していました。
その結果、世界的な金の中心地となったフランスでは、自由に製造・発行できる金の量はとても多くなります。

ナポレオン金貨と言えば、一般的にはナポレオン3世の金貨

ナポレオン3世時代に大量発行されたナポレオン金貨

ナポレオン金貨と言えば、一般的にはナポレオン3世の金貨のことをいいます。
しかし、「ナポレオン」という名前で有名なのは、ナポレオン3世でなくてナポレオン3世の叔父のナポレオン1世(ナポレオン・ボナパルト)でしょう。
ではなぜ、ナポレオン金貨すなわちナポレオン3世の金貨なのでしょうか。
それはナポレオン3世が金貨を大量に製造したからです。

では、なぜナポレオン金貨が大量に発行されたかを確認してみましょう。

まずナポレオン金貨の鋳造枚数の状況を確認してみます。

ナポレオン金貨は主に20フランを中心に鋳造されましたが、1835年から1850年にかけて、鋳造枚数がとても少なく、逆に1850年代~1870年にかけての鋳造枚数があまりに多く、1859年には、2,600万枚以上も製造されています。
これはナポレオン3世がフランス第二帝政の皇帝として在位していた期間(1852年 - 1870年)と符合します。

金貨を作るには、原料となる金が必要です。
19世紀の世界全体の金採掘量を見てみますと、金鉱の発見や産業革命の影響もあり、1840年代から金の生産量がいきなり上昇しています。
発見されたアメリカやオーストラリアなどの金鉱脈の中でも、1848年以降アメリカで有名なのがカリフォルニア州のゴールドラッシュです。

また、採掘手段・方法も産業革命の影響も大きそうだと予想できます。
こうして、世界全体を見れば、金貨を作る材料としての金は、比較的豊富でした。
こうした背景の中、当時のフランスは、オーストラリア、南アフリカ、米国、ロシアなど世界で金が採掘されてもフランス来ないと金貨を製造できないところから、大変賑わっていました。
そして、世界的な金の製造・流通の中心地となったフランスは、当時のラテン通貨同盟でフラン金貨が基準に採用されたことや各国の政府系銀行と緊密な協力関係にありました。
こうした背景もあって、フランスが自由に使える金の量は大変に多かったと推測できます。

こうしたことがナポレオン金貨を大量発行できた理由といえます。

ナポレオン金貨は買取りも活発

ナポレオン金貨は、20フランを中心に、10フラン、50フラン、100フランが発行されました。
ナポレオン金貨は150年以上前の金貨なのに、製造数が多かったために現存数も多く、買取りも活発に行われています。
未使用品でもその買取り価格は、安定した価格になっています。

記念硬貨・記念コイン・金貨をはじめ、売りたい方や買い取りのご相談をしたい方、高価買取のことならお気軽にお問い合わせ下さい。

関連記事 click to collapse contents 

メイプルリーフ金貨はなぜ人気?

メイプルリーフ金貨はなぜ人気?

カナダの国旗にもデザインされている「カエデの葉っぱ」の「メイプルリーフ金貨」の発行枚数・流通量は世界一で、誰もが知っている一番… 続きはこちら


どの時代の古銭が価値が高い?

どの時代の古銭が価値が高い?

代表的な価値ある古銭は「慶長大判金」(江戸初期)、「旧20円金貨」(明治3年)、「天正菱大判金 後藤祐徳墨書」(天正年間、1573年-1591年)… 続きはこちら


高値になる銀貨の種類は?

高値になる銀貨の種類は?

価値が高く、高値になる銀貨として有名なものは「メイプルリーフ銀貨」(カナダ)、「イーグル銀貨」(アメリカ)、「ブリタニア銀貨」(イギリス)… 続きはこちら


東京と地方では記念硬貨の買取価格が違う?

東京と地方では記念硬貨の買取価格が違う?

平成20年から全国47都道府県ごとの「地方自治法施行60周年記念硬貨」が発行。記念硬貨は「千円銀貨」と「五百円バイカラー・クラッド硬貨」の2種類… 続きはこちら


小判が良く使われていた時代は?

小判が良く使われていた時代は?

「小判」は、江戸時代に流通した金貨です。「小判」は、「慶長小判」を始まりとし、万延元年(1860年)の「万延小判」まで10種が発行されました… 続きはこちら


トップページに戻る  Page Top 

豆知識思い出(体験談)Q&Aコラム